3日目は薬師岳からスゴ乗越を経て、五色ヶ原へ向かう。
3日目にしてアップダウンが大きく、懸念していた日でもある。(だからこそ2日目に薬師岳山荘まで頑張ったのだけど)
果たして距離は昨日ほどではないものの、体力的にはキツく、今日も暑さにやられてしまった……
4時50分に登山開始。日の出の方角はカールの向こう側であり、こちらの斜面からでは拝むことは叶わないが、もはやご来光の優先度はだいぶ低い。
避難小屋が見えると薬師岳のカールの稜線に立ったことになる。
一気に解放される陽光。これまたダイナミックで素晴らしい景色。
薬師岳カールモルゲンロート。
薬師岳山頂にはすでに多くの人が。
西側には影薬師岳。この山の大きさをそのまま表す、広大な影。
美しい景色をたっぷり眺めていたいけど、ここは単に本日のスタート地点に過ぎない。
ここから北薬師岳までがなかなかに険しい。時にナイフリッジのような場所があったりと、気が抜けない。
北薬師岳を過ぎるといったん危険は去る。間山までの緩やかな下り。
最後に薬師岳を振り返る。またここに来るかどうか……まぁ、来るんだろうな。
僕はこういう穏やかな稜線が好きだ。最後の目的地の剱岳はまだまだ遠くに。
間山からさらに下って、ついに標高は樹林帯まで。
スゴ乗越小屋。ハンモックとかもあって、海の家みたいな雰囲気。ここでこの旅最大のアップダウンをこなすためのカロリーと水分を補給する。
小屋からもさらに下りに下って、スゴ乗越。今日の最低地点だけど、精神的にはここに下っているまでの方が辛かった……乗越まで来てしまえば、あとは登るだけ。
この辺りから、「上を見ずに登る」ことが定着してきた。「いつの間にか着いてた」方が嬉しいから。
というわけで、スゴの頭。
ここからさらにいったん下って、目の前にそびえる越中沢岳へ。かなり険しそうだ。
これが、見えていたよりもはるかに険しく。ザレでのスリップや、落石に気を遣いながら登るので、全然スピードが上がらない。
地図上には「急坂」としか書かれていないが、気をつけて歩きたいところ。
最後は緩やかな登り———
ここまで登ってきた僕たちへのご褒美か、雷鳥が姿を見せてくれた。というか、一家総出で登山道を横切っていった。
しばらくこの上で撮られるままにしていてくれた。ありがとう。
越中沢岳山頂。今日の大きな登りはこれで終わり。
ここからは鳶山の登りまでの緩やかな下り。越中沢岳、南北でこんなに表情が違うかと。
地図上「越中沢乗越」というポイントがあったはずだけど見つけられず(そうであろう地点は把握したが)、そのまま鳶山への最後の登り開始。
鳶山はガスだったので通り過ぎる。あとは五色ヶ原へ。
にしても、これは本当に楽園のような景色。これは訪れる人が多いのも頷ける。
この3泊目は、後半戦に備えて絶対に「1泊2食付き」にすると決めていた。ここで一気に体力を回復しようという作戦。
久しぶりのまともな食事に舌鼓。中にはイマイチ……みたいに言う人もちらほらいたけど、僕たちにはご馳走。ご飯3杯おかわりした。
さらに嬉しかったのは、ここにはなんとお風呂があること。夕飯前くらいまで(?)、男女交代で何度かチャンスがあるので、長期縦走の方は見逃すべからず。
大満足の小屋泊をエンジョイして、夕涼み。
明日向かう立山———それを守るかのように獅子岳、龍王岳が。明日も一筋縄ではいかなそう。
あとは布団でゆっくり———と思っていたら、今日は同室の方の寝言がすごくて、またここでも満足いく睡眠が得られなかったのが、最後に手痛かった……