寒波到来。こんな青空なのに、外は氷点下。
でも、こんなときにとっておいたエリアが、山と高原の地図「丹沢」の右上にちょこんとある、宮ヶ瀬〜仏果山とその周辺。
ここなら標高もそこまで高くなく、かつ縦走気分を味わえるのではないかと、狙いを定めた。
———が、年始からまさかの激務により、温かいベッドの引力から抜け出せず、予定より1時間半遅い8時半からスタート。
マイカー利用でも縦走が可能だったりするので、ここの駐車場からスタート。
目の前に立ちふさがるのが高取山かな?
出発が遅くなった効用で、少し歩いけばと山陰の寒い登山道から木漏れ日の中に出られた。
この広場あたりから、尾根を実感できる登山道に入る。
徐々に視界が高くなっていく。
テーブルセットが現れたらそこが山頂。
9:40、高取山山頂。ここからでも展望は良いが……
神奈川県が結構高い展望台を用意してくれているので、それに登ればご覧の展望。宮ヶ瀬方面。
これから歩く仏果山方面。うっすら相模湾がのぞいているけど、それは仏果山からの方がよく観えそうだ。
おや、甲斐駒ケ岳……?
宮ヶ瀬ダム。本当は、朝早く起きられていれば、逆回りでダムまで歩くつもりだった。
たっぷりと堪能して、仏果山へ。
この時刻になれば日も上がってきて、アウターを1枚外せるくらいの暖かさに。
山頂直下にだけロープ付の急登。
10:30、仏果山山頂。これからさらに進む経ヶ岳の展望。
高取山を振り返る。たった50m差なのに、こちらの方がかなり高く感じる。山あるあるだと思っている。
都市部も少しだけ近くなった。ひときわ高いのはランドマークタワーか。
東京都心部。スカイツリーはやっぱり目立つ。
そして輝く相模湾。
宮ヶ瀬湖ズーム。
ちなみに仏果山の由来は仏果禅師がここで座禅修行をしていたからだそうで。
ある種信仰の山であり、半原富士と呼ばれる郷土富士でもある。今でもそう呼ばれているのかな…
経ヶ岳への縦走を再開する。
が、この直下がこの縦走で一番スリリング。
痩せ尾根の急坂。特別に危ないということもないが、注意すべき場所。
それが終わるともとの木漏れ日に戻る。
「革籠石山」と書いて「かわかごいしやま」と読む。全部訓読みで、逆に読めなかった。
世間の寒波が嘘かのような、温かさが漂う山道。
半原越からの階段が、この回り方をする上では一つの正念場か。いやな高さの階段が続く。
経石というポイント。弘法大使がこの岩に経文を納めたからそう名付けられた。自然、それがある山は経ヶ岳と呼ばれた。
ちなみに、続く歴史の説明にはこうあった。
武田氏に敗れた北条氏の落武者が、やっとのことでこの山にたどりつき法論堂を見下ろすと数多くの槍が立てられていました。落武者は武田の軍勢がすでに法論堂まで追いかけてきたのかと思い、経石付近で力尽き相果てたそうです。
ところが落武者が見た槍というのは、収穫を終えたトウモロコシだったといい、それ以来この地方では、トウモロコシを耕作しなかったと伝えられています。
———トウモロコシの錯覚という死因も残念すぎて腑に落ち無いし、「なるほど、どうりでこの周辺にトウモロコシが栽培されていないわけだ!」ともならない。
というわけで、12:00、経ヶ岳。
ここは展望台もなく、南側が開けているのみ。向かい合うは丹沢山塊。
ここから下山……だったのだけど、一回尾根に入ってしまい道に迷い、20分ほどタイムロス。
落ち着いて帰ってこられたのが幸い。直進しないで良かった。
13時に下山完了。
近くに自販機があったのでペプシコーラで祝杯。このノーマルペプシ、アルプス以来だ。
半僧坊前からバスでもとの駐車場に帰ることで、マイカーでの縦走が完了する。
正直、「暇つぶし」というモチベーションで臨んだのだが、予想以上に楽しかった。
景色も良いし、ちょっとスリルのある箇所もあったりして、縦走の充実感もしっかり得られる。「半原アルプス」とかとでも名付ければ良いのに……と思っていたら「相州アルプス」という名前がすでにあるそうで。
枯れ木の隙間からの展望が得られ、山ビルが動き出す前の冬は狙い目だと思う。夏へのトレーニングにも是非おススメしたい。