「日本三名山」という冠を知らない人は多いけど、そこに入る山は古来より三本の指に入る霊山として親しまれてきました。
一つ、富士山、一つ、立山、
そしてもう一つが石川県は白山。
お金がない日本一周中に、麓の旅館に泊まってまで登りたかった山です。この町にゲストハウスとか山荘的なものがあればいいのにな。
登り始めたのは6時15分だったか。日帰りにはロングコースで時間がタイトになってくるので、だいたいこの時間帯にはみんなスタートしています。
登りは砂防新道から。人気のコースでよく整備されています。
道中いくつか立派な避難小屋も用意されている親切設計。
序盤は地味でそこそこの角度を、粛々と登っていきます。
自然のコントラスト、ここに極まれり、といった感じ。
この山の名前を冠する植物が多いことからも分かる通り、一般的に「高山植物の宝庫」と言われている白山ですが、紅葉の時期も素晴らしい。
甚之助避難小屋からのトラバースはボーナスタイム。身体を休ませながら、ゆっくりとこれまで登ってきた景色を堪能しました。
そして黒ボコ岩の先がさらにご褒美。
弥陀ヶ原。
室堂までのこの区間が至高のひととき。黄色と緑にまだらになった草原を進んでいきます。
室堂への最後の登りは急勾配でしんどかった。
室堂
かなり立派な山小屋兼ビジターセンター。どうやって建てたのか。
2014年のこのときはひっきりなしにヘリコプターが飛んできて、新たな資材をどんどん降ろしてきました。どうも神社を新調している模様でした。
ここから40分、さらに登れば、
御前峰。
ご存じでしょうが、「白山」というのはこの一帯の山の集合名称であって、白山という峰があるわけではありません。まぁ、御前峰が白山の最高峰で山頂と言えるでしょうか。
雲が奏でるスペクタクルをしばし眺めていました。
散々遊んでたらガスってきたので、下山開始。
お昼ご飯は室堂で。
案の定、ヘリが飛んできたときの暴風がやっかいでした。
帰りは黒ボコ岩から観光新道へ。
「観光新道」というくらいだからといって、「観光用に新しく作られた道」と予想するのは間違いでした。
浮石だらけの足場に、
険しい断崖沿いを歩く。こちら側ですれ違った登山者は死にそうな顔をしていました。
しかも全然下っていない。
その埋め合わせは急にやってきて、分岐からは出合まで直滑降。
14時20分には帰ってこられましたが、これは独りぼっちの男性によるちょっと早めのタイムなので、もう少し余裕をみると良いと思います。
いやいやいやいや、名山中の名山に天気の良い日に登れて、本当にラッキーでした。
秋の素晴らしさは十二分に堪能したので、次は是非高山植物が咲き乱れる7月に再訪したい。是が非でもまた登りたい山になりました。