近畿遠征2日目は奈良県と三重県の境目、大台ヶ原。
帰りのバスの時刻もあるので山頂からの最短の周回コースをとったが、たった3時間の山行とは思えないスケールの大きさを感じた。
八経ヶ岳を下りて、下北山へ立ち寄り、そのまま大台ヶ原の駐車場で夜を明かした。
6時の時点で満車に近く、駐車場から溢れるとドライブウェイの下の方に停まらなければならないため、車中泊は選択肢に入れた方が良いかもしれない。
標高差、ほとんど無しと言って良い。普通にスニーカーで歩いている人もいるくらい、歩きやすい道が続く。
階段を登ればもうすぐそこ。
日出ヶ岳。相変わらず山深いが、八経ヶ岳と違い、海(伊勢湾)の眺めがある。この山域は奈良と三重県の境目だ。
大杉谷方面。すばらしい渓谷トレッキングコースがあるらしいが、それはまた、遠い先の話になるかな。
立ち止まると強風が痛いくらい寒い。休憩もそこそこにして、次を目指す。
時間が余りに余っているので、大蛇嵓を周回するコースをとる。
植物保全のための木道がしきりに整備されており、終始非常に歩きやすい。
元はと言えば、この辺りは鬱蒼とした木々に覆われた山だったらしい。
それをこのような景色に変えたのは、環境破壊……とかではなく、たった一発の台風(伊勢湾台風)。
景色を変えてしまうほどの台風は、史上最悪の死者を出した災害でもある。恐ろしい。
なんというか……ここまで全然登山という感じがしない。でも、景色はとっても開放的だし、こんな素敵なお手軽ハイキングコースが関東にもあって欲しい。
大蛇嵓へ向かう道中から眺めた絶壁。
小さくて写せなかったが、この下の方にロッククライマーがいた……僕には到底考えられない世界。
大蛇嵓。この岩が滑らかなので、雨じゃなくても注意する必要がある。
向かい合う山脈の迫力がすごい。近畿の山岳風景のハイライトだろう。
そこから樹林帯に戻り、いったん下りきったところがシオカラ谷。
水が、そのまま飲めそうなくらい澄んでいた。
紅葉はこのあたりがピークだった。一応、緯度的には南にあるから、山全体が紅葉シーズンかと勝手に予想していたが、それは勝手な予想で、近畿だろうとこの時期の1600mは冬だったという。
その後、急登を登り終えれば駐車場に戻る。
合計3時間ほど。ざっと高尾山ほどであるにも関わらず、樹林から高山帯の景色を楽しめる大台ヶ原。その懐の広さを感じた登山だった。