11月の3連休は近畿へ遠征。
雨続きの10月を見届けながら、夜行バスのチケット等を予約するのは賭けに近かったが、なんとか全行程晴れに恵まれた。
10月の鬱憤を晴らすかのような、秋を凝縮した山行。まずは大峰山脈、および近畿最高峰は八経ヶ岳。
仕事終わりに意気込んで夜行バスに乗り、早朝から登ってやろうというつもりが、登山口に着いた時点で10時半。
国道309号がこんなに険しいと思わなかった……
普通にやっていたら日が暮れてしまうので、ちょっと今回は巻き気味に行く。
登山口から入ったとたんにものすごい紅葉に迎えられた。
特に前知識もなかったので、こんなに凄まじいとは思わなかった。
がしかし、近畿最高峰への最短ルートだけあって、稜線に出るまでの尾根筋の登りはかなり急。
最短とは言っても、標高差は1000m近く。ある程度は覚悟した方が良いかもしれない。
ようやく稜線に出る。途中で4組くらい抜いて、とりあえず最下位でなくなったことに気持ちが落ち着く。
まぁ、みんなが弥山小屋泊だったとしたらビリなのだけど……
ここから大峯奥駈道に合流する。全長100kmにもおよぶ修験道であり、世界遺産でもある。
稜線は熊笹に覆われた気持ちの良いもの。この標高になると紅葉も終わって葉も散り、隙間からの景色も良い。
何より今日が青空が塗りたくったような青ですごい。
稜線付近にまで苔がむしている。
山頂が見えてきた。右のたおやかなのが弥山で、左の尖っているのが八経ヶ岳。
理源大師像から先が、最後の急登。地図を見ても、等高線がぎっちり詰まっているのが分かる。
ただ、登山道自体はぐるーっとトラバースする親切設計。じわじわと標高を上げていく。
弥山小屋。失礼……こんなに立派だと思わなかった。
というより、今年見てきた中でもトップクラスの山小屋だ。
まずは弥山山頂。皇太子さまは本当にどこにでも訪れられる。
では、八経ヶ岳へ。
八経ヶ岳山頂。錫杖が突き刺さっている。
まず辺りを見渡してみて思うのは、どれだけ山深いのかと。
関東の山だと、眺めの中に少しは下界が観えたりするのだが、ここは見渡す限り、山、山、山。
反対側を観ても、山、山、山……ジャングルかと。
日本で一番の山奥とは、ここではないか。
一通り眺めを堪能して、弥山へ戻る。
あの尖った山が気になるが、何だろう。
弥山小屋に戻ってから、食事休憩。さすがに空腹が耐え難かった。
国見八方覗きの手前に素敵なテントサイトがあった。ペグも刺さりやすそうで、何より芝の上が寝るに快適そう。
下山は戻るだけなので割愛する。ただ、稜線直下の急坂は、下りにこそ注意を。ザレていてスリップしかねないので。
また飽きもせずに紅葉を撮りながら、
14時50分には帰ってこられた。
ちょっとせわしない山行になってしまったが、それでも魅力に溢れる山域であることを十二分に感じた。
100味わおうとするならそれこそ奥駆けになるのだろうけど、1週間近くも山に籠ることは今はあまり考えられないわけで……
また、たまに来て、要所要所をつまみ食いする感じで楽しもうと思う。