今年の夏の目標として、剱岳があった。
ただ、そこへどう至るか、それに迷って迷って……。普通だったら室堂から入って立山とセットで縦走するのがオーソドックスだろうけど、せっかくの長期休暇、それだと少し物足りないなと。
色々と考えた結果、新穂高温泉から入ることにした。ここから、黒部五郎岳〜薬師岳〜立山〜劒岳とつなぐことで、今まで歩いたことのない北アルプスの百名山を歩けるのでは———まぁ、こういう、安直な理由から始まったのが、今回の4泊5日の大冒険。
序盤の林道で、4泊分のザックの重みに身体を慣らしていく。
わさび平小屋。毎回ここでトマト食べている気がする……
これから消費するであろう塩をふんだんにかけて食べるトマトはいつも格別。
わさび平からやっと登山道になってくる……が、まだ朝だというのに、すでに暑い……登ってすらいないのに……
秩父沢でタオルを濡らして顔を洗う。ここは本当にオアシス。
この後に備えて水の補給も。まだ鏡平までは距離がある。
標高を上げてはいるものの、それよりも太陽の上がるスピードの方が速いので、体感気温はさらに上昇。
熊の踊り場もなんの爽快感もなく。
鏡平小屋に着いた頃には雲が湧き始めて、ここで綺麗な槍を拝むことは、また叶わなかった。
鏡平小屋で昼食。食欲の他に、少しでも食料の重みを減らしたい欲求がある……
そこから弓折岳の稜線に出るまでも怒涛の急登。
ただ、これさえ登ってしまえば今日の行程は終わったも同然。足に力が入る。
やっとアルプスの稜線に立つことができた。
遠くに双六岳、その奥に鷲羽岳。
前回来たときは完全にガスに覆われてしまっていたため、双六小屋がこういう素晴らしいロケーションで立っていることに気づかずじまいだった。ものすごく絵になる。
だんだんと近く双六小屋。一応、金曜日ということもあって、テント場にもまだまだ余裕がありそう。
振り返ると草原と青空。
14時くらいに双六小屋。
今日はここで終わり。あとはゆっくりと登り詰めだった脚と身体を休ませる。
夕暮れの鷲羽岳の姿は相変わらずカッコいい、というか、逆にこれくらいしか近くに目立った山がないとも……
7時くらいに就寝。たっぷり寝て明日の長距離に備えよう———
と思っていたのに、夜中から遠くで鳴っていた雷がどんどん近くになってきて、一度空気を振動させるくらいの雷鳴と同時に大雨に。なかなかタフな夜になってしまった。
雨が終わると一気に晴れて、星空に。
睡眠時間は削られてしまったけど、まだ身体は元気。2日目に続く。