朝日連峰、大朝日岳。
山形県の南西、新潟県との境目にあるコアな山域。訪れるのはもっと先の話だと思っていた。
ただ、3連休で計画していた北アルプスが台風でダメになり、その後も天候悪化のスピードは速まり、まともに登山できるのは16日単日ということになってしまった。
そこでギリギリに白羽の矢が立ったのが、
- 日帰り出来て
- アルプス的な稜線が歩ける
であろうと思っていた、大朝日岳。
結局のところ、ろくな覚悟もなく挑んでしまった、これが今シーズン一番キツい山行になった……
「大朝日岳日帰り」となると古寺鉱泉からのピストンが主流。それでも10時間の長丁場となることは、知っていたし覚悟していたつもりだったのだけど……
序盤はひたすら樹林帯。アップダウンを繰り返しながら、距離をつめていく。
このときはまだ陽光が差し込んでいたのだけど、
古寺山付近の稜線に達したところで、ガスも一緒に達してしまう。
結局、ここから大朝日岳はずっと顔を出さずに終わる。
なので、今回印象に残っているのはこのピラミダルな小朝日岳。均整のとれた姿がとっても綺麗。
その小朝日岳は帰りに寄る予定なので、行きはトラバース道で巻く。
小朝日岳~大朝日岳の稜線上。本来は素敵な景色が広がっているのだろうが、ガスがなかなかに濃い。
それでも時おりのぞく、紅葉しかけの大平原に「おおっ」と反応したり。
銀玉水からの登りが最後の正念場。
階段がしっかりしているので、焦らずゆっくりとこなせば大丈夫。
ようやく大朝日岳山頂避難小屋。
昼ごはんを食べながら晴れないかと待っていたが、どうにも厳しそうなので山頂をとりにいく。
ここが朝日連峰の最高峰。そして僕としては百名山の折り返し地点となった。
真っ白な景色は致し方無い。ここからの眺めは再訪する理由として置いておこう。
ところで、同行したやっちくんとしては東北地方初の山となったわけだが、東北地方初の山が大朝日岳ってのは、一般的にはおかしいと思う。
下山時には雲が上がり、小朝日岳までの稜線はクリアになっていた。
近づくにつれて小朝日岳の鋭利な姿が際立ってくる。
つまり、そこへの登りはとてつもない急登ということ。
これは、かなりしんどかった……牛歩で乗り切る。
小朝日岳山頂より。
ワンチャンスあるかと思ったけど、大朝日岳は最後まで雲をかぶりっぱなしだった。
ここから僕たちは島原山経由での下山を選択したが、これが良かったかどうか……
山頂には少し展望があるものの、小朝日岳からの眺めには及ばず。
そこから鉱泉までの下山路の足場が悪く、ぬかるんでいたり、極端に急だったりと途中から閉口気味。
小朝日岳から3時間、16時に古寺鉱泉に着いたときには心底ガッツポーズだった。
なんだろう、奥穂高の方がアップダウン的には険しかったと思うし、コースタイム的には裏銀座の方が長かったはずなのに、このしんどさは。
晴れていたら少し精神的には回復したかもしれないが、それは一因でしかない。
マニアックなエリア故、周りは玄人ばかりで、割と登山に慣れているつもりの2人だったのに、何組にも追い抜かされてしまった。まだまだ成長しなきゃなと思った山行でもあった。
日帰りでサクっと書かれたブログが多いけど、なかなかタフなものになることは覚悟しておいた方が良いかもしれない。