3日目。ついにこの縦走の肝となる西鎌尾根を渡り、槍へ到達する。
朝4時に双六小屋を出発して、樅沢岳から今日歩く西鎌尾根を眺める。印象としては東鎌尾根より穏やかだが、いかんせん距離が長い。
見た目通り、序盤はアップダウンも少なく、歩きやすい道が続く。
クサリが出てきたあたりから千丈乗越までが西鎌尾根の核心部。幅の狭いトラバースや、割とクサリに頼らなければならない箇所があったりと、徐々にスリルが増していく。
千丈乗越。
ここから先は危険はいくぶん去るものの、ただひたすらの直登がキツい。何度も足を止めながら進む。
ついに穂先が顔を出した。久しぶり。
天気が不安なので、早速取り付く。安定した岩としっかりボルトが付いているので、登れると言えば登れるが、怖い人はやめておいた方が良いと思う。
2年ぶりの槍ヶ岳山頂はあいにくのガスの中。まぁ、こんな日もある。
にしても、こんなに人が少ないのも珍しい。時折切れ目からのぞく景色を十分に楽しんだ後で、下山を開始する。
状況はさらに悪化していく。雨が降り出す前に槍沢は下りきっておきたいので、コーラを飲み干して下山開始。
7月にはここもまだまだ雪渓が残る。
槍沢ロッヂでカレーを食べる。これも2年前と同じ。次は周りが美味しそうにすすっていたラーメンを食べたい。
あとは、ひたすら上高地へ向けて歩くのだけど、毎回ここら辺で疲れが出てくる。今回も徳沢あたりから足が痛み始めた。
憧れの裏銀座を、憧れの西鎌尾根を歩けた。僕の山行の中でも色んな意味で過去最高のものになった。
今は一つの宿題を終えた満足感に包まれていますが、奥座敷から眺めた黒部五郎岳や薬師岳、雲ノ平に早くも憧れ始めている。そして次の宿題が出来上がる。
生きて行く限り、宿題は増え続ける。とっても素敵な世界だなと思う。