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【山】焼岳【長野県,岐阜県,百名山】

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梅雨入りしたのに、これといって雨も降らず。梅雨が本気を出す前に僕は焼岳へ行ってきた。

本来は鳳凰山や甲武信ヶ岳等、近場の候補がたくさん上がっていた。でも第一候補の鳳凰山は、イケさん「いやー、往復12時間は翌日の仕事に差し支えそうで自信ないっす」っていうことで、「じゃあ、甲武信ヶ岳とかはどうかな?」と提案したら、「焼岳とか行ってみたいっすね!」と。

翌日の仕事の心配をしている人から北アルプスを逆提案されるとは思わなかった。

 


深夜0時、満月の下、中央道を突当りまで突っ走る。

松本で下りて、ここから上高地までは国道159号を一直線。山奥にありながら、アクセスは良い方だと思う。

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1時間ほど走らせ、4時に沢渡バスターミナル。ここで仮眠。

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翌朝、というか1時間後の5時半起床。ゆっくり朝ごはんを食べて、ザックを整えてバス乗り場へ。

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6時10分発のシャトルバスに乗って、いざ上高地内へ!

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上高地側からの焼岳登山者は上高地手前の帝国ホテル前で下りる。

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帝国ホテル内のメニュー一覧。親子丼2400円、とってもリーズナブルだ。

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久し振りに出会えた梓川にはテンション上がったものの……

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正直、このときのコンディションは肉体的にも精神的にも最悪に近かった。当然のことながら眠気で頭痛気味だし、お腹ゴロゴロいってるし、見上げれば今にも雨が降りそうな黒い雲に覆われていて、山も何も見えたもんじゃない。

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そんなこともあって、序盤の記憶はほとんどない。

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1㎞ほど歩いたところから登山道開始。

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大量のニリンソウに出迎えられたのははっきりと覚えているけど、以後ほとんど覚えていない。

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イケさん「先輩……」

僕「ん?」

イケさん「眠いっす……

僕「……ね……」

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やっと本格的な登りが始まってきたところで、ようやく意識が目覚め始める。

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簡易な橋。

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これ、下が網状で透けていて、高所恐怖症でなくても少し怖かった。あんまり隣のロープには頼り過ぎない方が良いかと。

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こっからハシゴが連発されてきて、モリモリと標高を上げていく。

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身体の調子は戻ってきたものの、肝心の焼岳はまだガスの中。うーん…

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いったん、樹林帯から抜けた先。奥の方にすごいのが見えるのがお分かりでしょうか。

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この、10mはあろうかというハシゴ。このコースの名物だ。

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見た目以上に体感は垂直に近く、下を振り返ることは出来ない。怖い。

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写真じゃなかなか伝わらないのが残念。

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ハシゴを越えると同時に、森林限界も越える。

ここから笹薮のつづら折れを登りきると峠に出る。

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8時50分、焼岳小屋。コースタイムを50分ほど巻けたので、だいぶ心の余裕が出来る。

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小屋から先へ進み始めると、あれ?青空が……

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焼岳展望台より。ここには非常に登りたくなる岩があり、理想的な登山体系のイケさんはかなり映える。

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もう、完全に晴れた。精神的にも超回復!

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ただし、ここからの最後の登りはかなりキツい。

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ザレ場、ガレ場の急登。

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おまけに火山ガスが噴出されていて……本来硫黄って好きなにおいだけど、いかんせん間近だとくっさい

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息が上がって、深呼吸をするときにこのガスが入ってきてしまう。なんか身体に悪い気がするのだけど……

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ゆとりはあるので、ときどき立ち止まって景色を楽しむ。

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上高地の展望。梓川がうねりが見える。にしても、帝国ホテル、遠いな……

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山頂直下の雪渓。これはもちろん巻く。

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ついに中の湯側からとの合流地点。山頂はすぐそこ。

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山頂付近にも音を鳴らす硫黄ガスの噴気孔が。

最後の急登を終えれば、

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10時、焼岳山頂

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いやー、本当に晴れて良かった!乗鞍方面はご覧の絶景。

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笠ヶ岳、穂高槍方面は雲かぶっていて残念なのですが、まぁ仕方ない。逆に唯一晴れている焼岳にいられていることに感謝しないといけない。

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ここで昼ごはん。カップヌードルの世界版のドイツVer.が出ていたのですが、まぁ……普通だった。レギュラー陣には敵わない。

今日やたらと目立ったのは、霞沢岳、六百山。霞沢岳は二百名山にも選ばれていて、穂高の眺望が素晴らしいらしいので、いつか徳本峠越えルートで登ってみたい。

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最後に火口を眺める。活火山なので、いつか再び噴火する日が来るのだろうか。登れるうちに登れて良かっただろうか。

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と、のんびりしていたら明らかに空の様子がおかしい。少し急ぎ気味に下りはじめたのだが……

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焼岳「もう、いいでしょ??」

みたいな感じで、突然横殴りの雨が降り始める。しかも「痛たたたたたた……」と思っていたら、ヒョウじゃないか……

というわけで、カメラはザックの中にしまって、黙々と試練に耐えながら下りる。

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焼岳様ありがとうございました。次は紅葉のときとかに来ようか。

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当然のことながら、雨でぬれた下りのハシゴは厳しいものがあった……

ハシゴの連続を越えると、あとは平坦な道。緊張感も解けて……再び眠気の中へ……無意識、無言でゴールを目指す。

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ワープみたいな感じで、13時半、登山口。

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まだまだ時間に余裕があるので、せっかくだから河童橋まで歩くことに。曇り空なのに不思議と青い梓川。

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ウェストン碑。著書“日本アルプスの登山と探検”は、登山する者としては一読の価値あり。

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梓川から眺める焼岳は北アルプスというより独立峰に近い。

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2年ぶりの河童橋。今日はとことん何も見えなかったけど、その景色は楽しみにとっておこう。

14時半過ぎに上高地バスターミナル。バスの整理のバイトがギャルっぽいのばかりなのはどういう採用方針なのだろう?席につくなりあっという間にシャットダウン。気づけば沢渡バスターミナル。

これで僕たちの旅は終わり。長い長い高速道路の帰路についた。

 


いやー、ハードだった。東京から北アルプス日帰りはしんどいし、何よりもったいない。

それでも山大好きのイケさんと登るのならどこへでも。山が好きな人と登る山行ほど楽しいことは無いと実感した今日だった。