那須岳の旅から帰ってきた、翌日。
うまく寝付けず、そのまま7時に起床。んー、なんだろうこれ、どうしよう。
とりあえず近所の公園に登山ギアの泥落としへ。
まぁ、そんなことや掃除をやってもまだ9時。当初の土曜日雨予報はどこへ行ったのか、八王子、快晴。ちくしょう、太陽め……
僕はまたあてもなく走り出した。
国道20号から南は色々とやったので、今度は北側を走ってみようと。ざっとGoogle Mapを確認すれば、都道33号といううってつけの道路がある。
武蔵五日市からぐるーっと回って上野原に出れば、暇つぶしにちょうど良い周回ルートになるのではなかろうかと。そうすれば昼ちょい過ぎに帰ってきて、疲れた身体を休められると。
国道411号~都道7号武蔵五日市駅までの区間は何の情緒もない郊外の幹線道路。ちなみに都道7号、通称「五日市街道」はこの駅を終点として杉並区まで伸びる、最長の都道です。
武蔵五日市駅を過ぎた辺りから、一気に旅気分が増す。鮮やかな若葉色、ヘルメットから入る新緑の香りをまとった風……その風と一体になるや、多幸感が体を包み込む。そうそう、これこれ、と心の中で頷く。
本来は上川乗交差点で左折しなければいけないところ、どういう風の吹き回しか……
気づけば僕は都民の森にいて、三頭だんごを食べていた。
つまり都道206号に入っている。つまり苦手な奥多摩周遊道路を走っている。鬼気迫る走りをする人が一定割合いるから、怖いんですよね……
そういう人たちを全て先へやって、国道139号に突き当たる。これで奥多摩周遊道路は終わりだが、さて、どうしようか、青梅街道を帰ろうか、でも、渋滞してるんだろうな……と僅かにネガティビティが思い浮かんだところで、
僕は大菩薩ラインを走っていた。
この有名な道路ですが、僕は初。国道411号を奥多摩より先へ走ったことがない。
丹波山村を通り過ぎる。奥多摩のさらに奥にこんな集落があったのか、というか、檜原村以外に東京に村ってあったのかと思ったら、あ、ここ、山梨県か……
最終的に、僕は柳沢峠から堂々たる富士山を見下ろしていた。何やってるんだろう……
たくさんのバイクが停まっていましたが、ツーリング集団だったそうで。代表らしき方が「では、今日はお疲れ様でした!」と。
こんな山奥の一本道で解散とは、今日一日どういうプランで走ってきたのか。
ここまで来たからには引き返すことは考えられない。一気に甲州市へ駆け下りるのですが、これがまぁ素晴らしい。大きなRを描きながら、渓谷を対岸から対岸へ、何度も渡っていく。その爽快感は本当に久しぶり。
あとは、大菩薩嶺を脇目に下りきり、フルーツラインで国道20号を目指す。フルーツラインもまた甲府盆地を見下ろす快走路で、これもまたバイクで味わうのは初めて。予定よりもだいぶ遠出になってしまったけどこれはこれで良かったかなと思えたのでした。
国道20号をつかまえて、道の駅「甲斐大和」でコーヒーブレイク。
のんびりと八王子へ帰りましたとさ……とはならないのがGWのUターン。
ICの出入り口の度に頻発するプチ渋滞。その間にジリジリと身を焦がす太陽……
たまらず、猿橋で再度休憩。思えば猿橋の地名たる「猿橋」を観たことないしね。
それがこちら猿橋。
国の名勝に指定されてる歴史ある橋。さらに日本三奇橋に選ばれていることもあり、なるほど不思議な形です。構造については素人には全く分からないので、Wikipediaで。
この先は何度も通ってるので割愛。相模湖ICで最後の渋滞に巻き込まれて、結局高尾でまた休み、家に着いたのは18時でした。普通にツーリングしちゃったじゃないか。
それにしても、大菩薩ライン、素晴らしかったな。紅葉の秋はもちろん、夏の暑いときでも一気に駆け抜ける分には気持ち良いかもしれない。また走ろう。あと、今回やらなかった都道33号の未走区間も。
八王子周回のバリエーションはまだまだ終わらない。